最終更新:2024年3月1日
高齢者肺炎球菌ワクチンとは
肺炎は日本の死亡原因の第3位で、肺炎によって亡くなる方の95%が65歳以上の高齢者であり、日常的に生じる成人の肺炎のうち1/4~1/3は肺炎球菌が原因と考えられています。肺炎球菌は肺炎だけでなく、慢性気道感染症、中耳炎、副鼻腔炎、敗血症、髄膜炎などの肺炎球菌感染症の原因になります。高齢者用肺炎球菌ワクチン(23価肺炎球菌莢膜ポリサッカライドワクチン)は、肺炎球菌莢膜型の約80%に対応することができ、ワクチンの接種により肺炎の予防や肺炎にかかっても軽い症状ですむ効果が期待できます。接種を希望される方は、ワクチンの効果や副反応等について十分に理解したうえで医師と相談し、接種してください。
大阪市ホームページ(2022.10.25更新版) https://www.city.osaka.lg.jp/kenko/page/0000371486.html
肺炎球菌ワクチンは、市中肺炎において重要な肺炎球菌による肺炎の発症リスク・重症化リスクを低減させる効果のあるワクチンです。
接種後は数年間に渡り効果が持続するとされますが、高齢の方、合併症のある方ではいずれ効果が減弱するため、再接種も検討されます。一方、5年未満での再接種は、接種時の副反応のリスクが高いため、再接種には5年以上の間隔をあける必要があります。
65歳で初回接種される方は定期接種として大阪市による費用助成があります。定期接種対象ではない方、定期接種対象年齢で接種をしそびれた方も将来的な肺炎予防のため任意接種をご検討ください。
接種対象者・費用
*当日は健康保険証をご持参ください
①任意接種の方:8,800円(税込)
②定期接種対象の方:4,300円(税込)
③定期接種対象で生活保護受給:無料
④定期接種対象で市民税非課税世帯:無料
*③④:こちらの確認資料をご持参ください
定期接種・任意接種について
定期接種
・予防接種法に基づき市区町村が実施
・接種費用の公費助成制度あり
任意接種(自費接種)
・定期接種の対象年齢以外で接種
・定期接種ではない予防接種
定期接種対象者
2024年5月8日以降
条件①:大阪市在住(住民票)
条件②:接種歴なし(自費接種も含む)
条件③:接種日に65歳
2024年5月7日まで
条件①:大阪市在住(住民票)
条件②:接種歴なし(自費接種も含む)
条件③:令和2・3・4・5年度に65・70・75・80・85・90・95・100歳になられた方
【対象年齢の確認方法】
定期接種対象年齢早見表
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上記リンク先の表で「令和2年度」「令和3年度」「令和4年度」「令和5年度」のいずれかにご自身の生年月日が含まれておれば5月7日までは定期接種の助成対象として4,300円で接種できます。それ以降は任意接種として8,800円になります。
*注:「令和元年」欄に生年月日が含まれる方は対象外です。
*接種日に60~64歳の方で、心臓・腎臓・呼吸器の機能、ヒト免疫不全ウイルスによる免疫の機能に身体障がい者手帳1級相当の障がいを有する方も対象
*定期接種制度開始時の経過措置として、制度開始前に65歳を迎えておられた方にも接種機会を提供するため、令和5年度までは70~100歳の方も対象とされていましたが、2024年5月7日で経過措置は終了となります。
*新型コロナウイルス感染症流行により接種ができなかった方への経過措置として、令和5年度までは定期接種期限が延長されており、令和5年度は、令和2~5年度に対象年齢になられていた方が対象となっていましたが、2024年5月7日で経過措置は終了となります。
*令和6年度事業(2024年5月8日)からは接種時に65歳の方のみ定期接種となります。
定期接種で自己負担免除となる方
・市民税非課税世帯の方
・生活保護を受給されている方
・東日本大震災被災者の方
下記の確認資料をお持ちいただくと接種費用が無料になります。
自己負担免除の確認資料(例)
<生活保護受給者>
・保護決定通知書
・生活保護適用証明書
・休日夜間等診療依頼証
・本人確認証(中国残留邦人等支援給付制度)
<市民税非課税世帯の方>
・介護保険料決定通知書
(介護保険料段階が第1~第4段階のものに限る)
・介護保険負担限度額認定証
・介護保険高額介護サービス費受領委任払承認通知書
(利用者負担上限額欄が15,000円または24,600円のものに限る)
・自己負担免除確認書(介護保険)
(介護保険料段階が第1~第4段階のものに限る)
・後期高齢者医療限度額適用・標準負担額減額認定証
・障がい福祉サービス受給者証
(利用者負担に関する事項の負担上限額欄が0円のものに限る)
・自立支援医療受給者証
(自己負担上限額が0円または2,500円のものに限る)
・自己負担免除確認書
・課税証明書
(世帯員全員が確認できる住民票+そこに記載されている方の課税証明書も必要)
<東日本大震災被災者>
・予防接種実施願(保健福祉センターで発行)
他のワクチンとの接種間隔
高齢者肺炎球菌ワクチンは、不活化ワクチンです。
インフルエンザワクチン(不活化ワクチン)
- 現在の規定では、インフルエンザワクチン・高齢者肺炎球菌ワクチンは、接種間隔をあける必要はありませんが、
- 当院としましては、万一なんらかの副作用が生じた場合にいずれのワクチンが原因か判断できるよう、1週間程度は接種間隔をあけられることをお勧めします。
新型コロナウイルスワクチン
- 新型コロナウイルスワクチン・高齢者肺炎球菌ワクチンは、2週間の接種間隔を空ける必要があります。
- インフルエンザワクチンは新型コロナウイルスワクチンとの同時接種が認められていますが、高齢者肺炎球菌ワクチンと新型コロナウイルスワクチンの同時接種は認められていません。